それは とあるイヴのよるのことだった
そのいやらしく高貴なパープル色を放つお店は
ひとけも血の気もない青山霊園のちかくにあったのだ
グローバリゼーションの中で彷徨い生きる 仏教徒にとって
クリスマスイヴは 無視できない聖なる夜
深い意味はもとめない
求めるのはたったひとつ
ヒトとヒトの絆
ヒトは独りっきりでは
愛情をもてあそんでしまう生き物なのだから
たどり着くまでに 手を冷たくさせたヒトたちが
温かいこころで選びぬいた お花たちを
お店じゅうに飾る
次第にお店は お花のアロマと笑い声で
幸せな酸欠空間を醸し出す
それぞれの個性や おもいが表れるお花たちは
なんて美しく凛としているのだろう
今夜は 華のあるイヴの夜
でも お花は美しいけれど
いずれ枯れてしまう
お花を選ぶこころこそが 今夜の華
Everyone Stay Gold. Merry Christmas.