ひとりでもいいから キューバへ行こう
そう思っていたのは 私だけではなかった
HBSのクラスメート シェルビーとロベルトとの旅
とびっきり仲が良かったわけではない
一年間 同じ教室の中で過ごしてきたのに
同じ学校行事に参加してきたのに
彼らとは キューバ旅の中 深い絆で結ばれた
話しても 話しても 話し足りなかった
たまたますぎるのだ
90人のクラスメートのうち
企業でのサマーインターンシップ体験の代わりに
起業を考えていたのは たったの3人
その3人が 神様の悪戯にのせられて
お互いの起業内容も知らずに キューバで合流したのだから
何本シガーを吸っても足りないわけだ
まだまだ お互いに社名も決まらず
夏の予定も ファイナンスも な~んにも決まっていない中
夢を語るガキたちのように 太陽に負けないエネルギーを放ち合った
起業家は夢想家だと 言われるが
夢を語って 何が悪いのだろうか
それが 夢で終わらないように 動いてみることは
無茶すぎることなのだろうか
大人たちにとって 大人げないのだろうか
キューバでは 一切予定をたてなかった
カンペキな朝食だけが日課
車を出し 少しの距離でもヒッチハイクする地元人を 乗せては降ろし
気軽な会話を楽しんでいると
いつのまにか 海にたどり着いた
ぐんぐんと 車を走らせ
白い砂浜にたどり着いた瞬間
「よし 海辺で素泊まりしよう」
化粧をしないオトコたちの発想に
いきなり今夜の宿泊先が決まってしまった
アドベンチャー好きな夢想家たちは
時に 無口になる
実は 話すことが そこまで好きではないかもしれない
身体を動かして 汗をかくことの方が好きなのかもしれない
動きすぎて 疲れているのかもしれない
だから お互いに ほっておく
日が暮れる前に 山奥から たき火用の小枝を集めてくる
ボーイズスカウト仕込みの腕を魅せつけるロベルトと
海のガードマンと安いラムを飲んで いつの間にか仲良くなっているシェルビー
二人とも なんでも自分で作っちゃうし
問題があったら 自分でなんとかしちゃう
場合によっては人を巻き込んで (ラムで?)
いつだって散策と探検を続け
自然にウソをつかずに 自分にウソをつかずに 共存している
キューバ旅の後 3人とも HBSのサマーフェローシップを獲得した
わたしたちは 飛び跳ねて 大喜びした
この大不況の中 学校がスポンサーとして 資金援助してくれるのだ
夏休みいっぱい やりたい事に専念できる
サンフランシスコ ボストン そして 東京
この夏 わたしたちは動き出す