まるでアリスな気分
世界の4分の1のクレーンが集まる 建設ラッシュが続くドバイ
世界的金融危機にも拘らず オイルリッチなアブダビ政府に甘え
多額な借金を抱えながら 急速に砂漠と海中を開拓し続ける
不思議な国のドバイ
砂漠の国のオアシスかと思ってやってきたら
裕福層のローカル達が 街中どこを探しても 見当たらない
イスラム教徒の彼らは 快楽に溺れるこの街から収入を得て
宗教心と相反する 酒あり 儲けありの街を見てみぬふり
矛盾が多すぎて 外からやってきた アリスには理解しきれない
お金とステータスと職を求めて集まってくる ガイコク人で成り立つ街
タクシー運転手はインド人かパキスタン人 メイドはフィリピン人
裕福層の溢れ余る資金を運用するのは 西洋教育を受けてきた近隣国の優秀人材
レバノン人 エジプト人 ヨルダン人のビジネスエリート達
彼らの教育費をスポンサーしているのは ちゃっかりドバイ政府
今年出来たばかりのドバイモールは 消費目的にやってくる観光客の人気スポット
日本人 アメリカ人 南アフリカ人 色とりどりの客層が
ドバイの架空マネーを支えている
デパートの中では ニセモノの海と星空と出会う
建設中の世界一高いビルディング ブルジュ・ドバイが出来上がった頃
架空の街のバブルが弾けてしまったら ガイコク人たちはお構いなく
なんの同情も 愛土心もなく この街を去っていくのだろう
砂漠の国のオアシスは いつしか オリンピックゲーム開催地に残る
立派な廃墟 空っぽなドームになってしまうのだろうか
世界中の人々はいったい 何にお金を貢献しているのだろうか
毎晩 水たばこを吸いながら 不思議に思う 気分はアリス