「オマーンへ行こう」
いきなり車を走らせる ドバイ育ちレバノン人 マルワンの後をついて
よく分からぬまま オマーンへ向かう
マルワンの幼少時代からの友達 パレスチナ人のベージルは
先月オマーンで建ち上がったホテルの設計デザイン担当
経営者は彼の父親 世界有数の建設会社の御曹司
もちろん 使用している建設会社は全て 親戚ぐるみ
アラビアンネットワークで成り立つ この地のビジネスに圧倒される
ベージルは 私よりもいくつか年下だが
どんな質問に対する答えも 世界観を感じさせる 経営者マインドと
小さな頃から 育て続けてきた 知的好奇心に満ち溢れている
砂漠の中を走り続け ホテルの入り口を過ぎると
ぐんぐんと空の近くまでドライブ
見渡すオマーン側の海は ひっそりとしている
見渡しても 見当たらない 海岸沿いの
中東一サステナブルな 環境配慮型ホテルをデザインした彼は
現地に溶け込む 砂漠カモフラージュ色の建物について説明する
「別にサステナビリティ賞を受賞するために設計したわけではない
この地の材料や 自然光を活用するデザインが 一番経済的だったんだ」と
ベージルとマルワンは 二人同士の会話でも
旅を共にするトルコ人クラスメート ピルーゼと私のために
英語を話し続けてくれる
耳を傾けると 話の大半は家族や 親戚のつながりについて
そして ドバイバブルを客観視するジョークの連発
アラビアンリゾートを堪能しながら
世界各国から ドバイに稼ぎにくる高給取りの外国人達とは無縁な
アラビアンネットワークと血筋を感じずにはいられない
少し遅れてしまったけれど アラビアンメリークリスマス!